
私の母は長い間、旅のガイドをしていました。なので家にはお土産の各地のお菓子がたくさん家にあるのが当たり前で、子供の頃はシブいおやつをいつも食べていました。
同じ頃、母はたまに、近所の和菓子屋で生菓子を買ってきました。母が家にいるときは嬉しく、学校から帰ると一目散に台所へ向かいます。お菓子があるよ、と言われて冷蔵庫を開け、中に柔らかくてきれいな和菓子を見つけて喜び、「お母さん、春だからいちごなの?」「梅雨だから紫陽花なの?」などとたずねながら、口いっぱいに頬張っていました。
幼少時からそんな感じでずっときたので、日常にお菓子が欠かせない今の私があります。銘菓に詳しく、会議や会合などでは、対面した方の出身地の菓子を口火に話を弾ませるという特技を持っています。
お菓子作りのデビューも子供の頃で、当時普及し出したオーブン電子レンジに付属していたクックブックを見ながらクッキーやパウンドケーキを作っていました。今思えば、知らないうちに色々な焼き型が家に増えていったので、母がこっそり買い足してくれていたのですね。。作ったお菓子の美味しさに感動したなどという記憶は全くありません。自分で作ったものが売っているお菓子に勝てるわけがないと思っていたし、とにかく作りたかっただけなのだと思います。
高校3年生の時、この先は製菓学校に行きたいと思って体験入学にも行ったけれど、親の強い反対を受けて諦めました。しばらく作るのをやめましたが、何がきっかけなのかは忘れてしまったけれどまた作るようになり、レシピ本をよく買うようになりました。
数年前までは、自分で食べるためのお菓子を作っていました。手作りのお菓子など、渡された方は迷惑なだけと思っていました。ある時、チーズケーキにハマって毎日のように焼いていたら、これまでで最高の品ができました。天才?かと思いました。もちろんレシピが良かっただけです。 これなら誰かにあげても許されるかもしれないと思い、ホールの半分をラップに包んで知人に渡してみました。彼女はすぐにそれを食べて「え、美味しい!また食べたい!」と言うのです。「え、嬉しい!また持ってくる!」
今は、友人や知人に会う時、焼いたお菓子を手土産にします。サロンで施術後のお茶に添えたりもします。数年前からは週末に知人のカフェのコンセプトに合わせたお菓子を卸しています。
私は毎度、お菓子を作るといつも心が満たされます。アメリカでは心療治療で利用されているベイキングセラピー。ぜひ一緒に癒しの時間を過ごしましょう。